カテゴリ「イノーベション開発部」の214件の記事

2024年9月 2日 (月)

倒産手続のデジタル化

 こんにちは、イノベーション開発部の門岡です。
 今回は、内閣総理大臣の諮問機関である規制改革推進会議が令和6年5月31日に取りまとめました答申(案)の中から、「倒産手続のデジタル化」について取り上げてみたいと思います。
 この答申(案)では、破産手続、民事再生手続又は会社更生手続(以下「倒産手続」と称します)における現状の書面中心の倒産手続の問題点が指摘されています。
 それによりますと、例えば、破産管財人が債権者に対し債権届出書を含む書面を送付する費用だけで、債権者が10万名で7回送付した場合、約1億円のコストがかかるとのことです。時間もコストも増大する現状に対し、答申(案)では令和10年6月までに予定される倒産手続の電子システムの導入に当たって、以下の措置を講ずることを掲げています。

①インターネットを利用した債権届出の電子提出時の本人確認について、書面による債権届出の際の本人確認の程度と比較して、債権者に不要な負担を課さないための環境整備に取り組むこと。

②債権届出に係る情報等をテキストデータ化するに際し、その負担を破産管財人等にかけることなく、適切な運用が図られるための環境整備に取り組むこと。

③破産管財人等が、債権届出における債権額等のデータを債権調査、配当金額の計算その他の後続の手続にも自動的に利用することを可能とするための環境整備に取り組むこと。

④破産管財人等が裁判所に提出する財産状況報告書又は認否書等の書面及び破産管財人等から債権者に送付されることが一般的な書面の全てについて、破産管財人等がこれらの書面をシステムを通じて裁判所に提出した際に、同時に当該書面提出があった旨の電子的通知が債権者にも発出され、債権者が電子的に当該書面を閲覧できるようにするための環境整備に取り組むこと。

 倒産手続のデジタル化によって破産管財人等の業務が効率化し、手続の迅速化や配当額の増大等の効果が期待されています。

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2024年8月19日 (月)

ブロックチェーンの技術と用途

こんにちは。イノベーション開発部の万場です。

今回は、Web3(端的に言えば次世代の分散型インターネットのことです。)の関連技術として注目されている「ブロックチェーン」についてお話ししようと思います。ブロックチェーンは、デジタルデータの保存と管理に関する技術で、特にそのセキュリティと透明性が注目されています。

ブロックチェーンとは、データをブロックという単位でまとめ、それを鎖(チェーン)のようにつなげていく技術です。この技術の大きな特徴は、データが改ざんされにくいことです。なぜなら、一度記録されたデータは、全てのブロックに分散して保存されるため、一箇所を変更しても他のブロックと矛盾が生じ、すぐに不正が発覚するからです。

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この特徴を活かして、金融だけでなく、さまざまな分野でブロックチェーンの利用が進んでいます。例えば、医療分野では、患者の電子カルテを安全に管理するために使われています。これにより、患者情報の漏洩を防ぎつつ、医療機関間でのデータ共有がスムーズに行えるようになります。また、物流分野でも、商品の流通経路を透明化するために利用されています。これにより、消費者は商品の正確な産地や流通経路を確認できるようになり、信頼性が向上します。

さらに、ブロックチェーンの将来性についても注目が集まっています。特に、スマートコントラクトと呼ばれる技術が注目されています。スマートコントラクトは、契約条件が自動的に実行される仕組みで、これにより中間業者を介さずに取引が行えるようになります。この技術は、不動産取引や保険、投票システムなど、さまざまな分野での活用が期待されています。リーガルでは今後もこのような技術の進化に注目し、製品開発に活用できるかを探っていきたいと思います。


2024年6月17日 (月)

「生成AIの可能性と危険性」について

こんにちは。イノベーション開発部の明です。

この1、2年の間、生成AI技術、とりわけChatGPTやBardなどが世の中を賑わせました。
出始めの頃は、単なるチャット形式で、ブラウザに投げた質問に対して自然言語で答えを返してくれるだけだったものが、いつの間にかどんどん進化を遂げて、要求された文章を作成してくれたり、画像を書いてくれたり、
プログラミングをしてくれたり、最近は簡単なテキスト入力でリアルな動画まで作ってくれるようになりました。

最初に世の中に衝撃を与えたのは恐らくChatGPT3.0ではないかと思います。
こういったAI技術においては「パラメーター数」が多いほどより複雑な学習をすることができ、結果高機能とされています。 
例えていうと料理を作るのに利用する食材の数みたいなもので、多ければ多いほど複雑で味わい深い料理ができるようなイメージです。
ChatGPT3.0ではすでに1750億個のパラメーターを扱えるのに、その後に出てきたChatGPT3.5がその倍の3550億個、
さらにChatGPT4.0ではテキスト入力以外に画像の入力もできるようになったことに加え、
数学や化学、法律、経済学、コーディングなどの分野での精度が向上されました。
最近はChatGPT4oがリリースされて、日本語を含む非英語言語の性能向上や返答スピードの高速化が実現しています。

また、最近で一番驚いたのはSoraの発表です。
簡単なテキストを入力するだけで、高品質の動画を生成できるようになるのですが、まさに驚きと感動を感じられました。
具体的にSoraでは以下のようなことができます。
・テキストから動画を作成
・静止画から動画を作成
・動画の拡張・編集
・画像の生成
・高度なシミュレーション
これらのことがすべて動画編集のど素人の自分でも簡単にできてしまうのは、
動画コンテンツの制作や編集に革命をもたらすと言っても過言ではありません。
七色の未来が見えています。。。

ただ、少し落ち着いて考えてみると、その生成されたリアルすぎる画像や動画が本物かどうか、
AIで生成されたものかどうかの見分けもつかなくなると、それはそれで一種の脅威、恐怖かと思います。
全ての生成AIが正義のために動いている訳ではなく、正しくない使われ方も必ず存在するからです。
世の中にフェイク画像やフェイク動画が溢れる日々は耐え難いものだと個人的には思います。

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犯罪リスクの高まりによりいつ自分が被害者になってもおかしくありません。
それを防止するために、いろんな法整備であったり、ITリテラシーの向上であったり、
国と個人でそれぞれを取り組んでいく必要があります。

恐らくあと数年もすると、自分の周りはいろんなものがAIに代替えされて、自分もそれに慣れた生活を過ごしているかと思いますが、
あくまで人間主体で、AIを便利に使うことで生活を豊かにする方向で、映画のマトリックスのようなことがありませんように。。。


2024年6月10日 (月)

AIが生成した創作物の著作権について

 6月に入り夏の近づきを感じる暑い日が続いていますが、皆さまいかがお過ごしでしょうか。
 今回は最近気になっているAI創作物について著作権は発生するのか、またAI創作物が既存の著作物と似ていた場合、著作権侵害となるか、ということについて書きたいと思います。というのも最近ネット上で、AI制作物と書かれたイラストや動画等を頻繁に見かけるようになり、これらの著作権等について少し気になったからです。

 まず大前提として「AIが生成した創作物には著作権が発生するか」という点について、著作権法2条1項1号で「思想又は感情を創作的に表現したものであつて、文芸、学術、美術又は音楽の範囲に属するものをいう。」としていますが、AIが自動で作成したものは、「思想」や「感情」がなく創作意図がないため、基本的には著作権が発生しないと考えられています。したがって、人の関与が一切ないAI100%の創作物は著作権が発生せず、生成物があるのに、著作権者不在という中々興味深い状態になります。
 では、人間がAIに学習させ、創作意図をもってAIに創作物を生成させた場合、人の関与があるため、これに著作権が認められるのでしょうか。この場合、そう簡単ではなく、どれくらい人間が関与したのかという点が、著作者・著作権を決定する際の判断材料として重要視されており、AIが作成した部分を除いて人間が関与した個所のみに著作権が認められる等、判断が分かれています。
 したがって、一律にAI作成物に著作権が認められるかというと、現在まだルール策定の段階であるともいえると思いますので、国際的にもルール作りが急務とも言えます。(AIと著作権に関して、文化庁が動画を上げているのも興味深いです。
令和5年度著作権セミナー「AIと著作権」

 ここまでAI創作物に著作権が認められるかという点を述べましたが、ではAIが生成した創作物が著作権侵害となるのでしょうか。
 基本的には、AI創作物が著作権侵害に値するかは、通常の著作権と同じく、①「類似性」(既存の著作物が独自に持っている創作表現と似ているか)と、②「依拠性」(既存の著作物を参照・認知したうえで自己作品に用いたか)の二点で判断され、これらの項目を満たすと、著作権侵害が認められると考えられます。ただし、既存の著作物とAI創作物が類似していても、認知していない(知らない)ことを証明できれば(依拠していない)著作権侵害にあたらないとされるため、この点が問題となると思います。現状ではこの依拠性にもはっきりとした結論がでていないようです。つまりAIが学習して生成した制作物が既存の著作物に似ているのにもかかわらず、AIを使用した人間がその著作物を見たことがなく、「知らなかった」場合、はたして、これが依拠したといえるかという点に関して、明確な基準がなく複雑です。

 私が考える結論としてはなんとも曖昧ですが、以下の2点。
①もしAIを使用して創作物を生成した場合、著作権が認められるためには、必ず何らかの独自の表現を加えて人間の関与が認められる必要がある
②生成物とそっくりな既存著作物がないかをよく調べることが不可欠であり、最終的には人間の判断が重要なファクターとなる
 調べれば調べるほどまだまだはっきり定まっていない部分が出てきて、AIに特化した法律の整備が待たれるのが現状だと思われます。また、AI使用者が例え知らなかったとしても、AI 生成作品が既存の作品と酷似しているのであれば、争いが生じる可能性があるため、明確な理由がない限り、使用は控えるという判断が大切だとも思えました。

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2024年5月27日 (月)

マクロとRPAとAI

イノベーション開発部の大島です。
今回は個人的に少し思うところがあって調べていた「マクロとRPAとAI」に関してお話したいと思います。

まずはそれぞれの言葉を簡単に確認をしたいと思います。
「マクロ」は一般的にはWordやExcelといった製品に付随する機能で、色々な作業を自動化することを目的としています。私が調べていたマクロはもう少し広い範囲、例えばWindowsのバッチ処理などを含めたものを想定しておりましたが、特定の機能を自動化するといった目的は同じです。
続いて「RPA」ですが「Robotic Process Automation」の略語で普段皆様が行っているPC上の作業を肩代わりすることを目的とし、マクロのような各ソフトでの処理に限らずもう少し大きな処理を目的とします。例えば相談内容が記載されているメールを自動的に読み込んでExcelの帳票に転記するといった形で実現されています。それぞれの機能はマクロなどを活用して動作しますが、その連携をもって目的を果たす点が少し違います。
最後の「AI」ですが、これ自体は近年生成AIが人気ですので皆様もご存じのところではあるかと思います。指示や命令を受けることでその関係する処理を自動的に判断、実行することを目的としています。

どの手法を用いたとしても、その目的は「定型作業の効率化」であるために、行っている処理の違いはありません。
ではなぜ今回これに関して調べていたのかというと、AIの仕組みとも少し関係するのですが、どこまでの作業を効率化できるかといった部分に興味があったからです。
先ほど述べましたマクロやRPAは実は弱点があります。最たるものは「記録した処理以外のことは原則できない」「エラーが発生した場合の対処が原則できない」、つまり開発者(作業者)が記述した内容以上のことは対応できないといったことになります。
Wordなどのマクロがわかりやすい例となりますが、「マクロの記録」を行うと停止させるまでの間の作業を記録し、その後「マクロの実行」を行うことで同じ作業を自動的に実行することが可能となっています。実際に運用しようとすると、意図しないデータが含まれていた場合は、その処理はそこでストップするといったことが発生してしまいます。現実の定型作業を考えた場合、小さな意図しないデータは意外と多く存在しますので、そこを如何に対処するかが開発者の頭の悩みどころとなっています。

ここで「AI」の出番となりますが、上記の問題に対してある程度賢く対応できないのか、もっと言えば「私」は何も考えずに勝手に処理してくれるようなことはできないのかといったことを考え始めます。
当然同じことを考える人は多くいますので、現在では「EPA(Enhanced Process Automation)」などと呼ばれている複雑な非定型の処理の研究が始まっています。これは個別の処理はRPA(あるいはマクロ)で行い、そこで記述された処理をAI技術を活用して呼び出すことである程度の処理の自由度を持たせるものです。また、より高度なAIと連携することでその背景にある膨大なデータの分析に基づいた処理の自動化に関する研究も進んでいます。実際、先日3月には、AIソフトウエア会社のUiPath社とGoogle社のGoogleCloudとの連携を行うことが発表されておりますので、今後この分野がより活発化していくことは間違いないかと思います。

今回は詳しくお話しませんでしたが、この分野はLLM(大規模言語モデル)の活用やML(機械学習)など、生成AIの基本モデルと多くの共通する技術が用いられています。
今後皆様のパソコン、、といわず生活全般に色々な形で取り込まれていくかもしれませんので、それこそ「あれやっといて」とある程度ぞんざいな指示だけで色々な処理が自動化される未来も案外近いのかもしれません笑。

最後にちょっとしたコーヒーブレイク的な話題となりますが、実はリーガルの本社がある愛媛県はシルクの数少ない生産地であります。
その資料館に見学にいった際に買った繭玉の人形が家族に大層喜ばれまして、ちょうど咲いていた花と一緒に記念撮影されていました。
皆様もぜひ愛媛に来た際はシルクの繭玉を探してみてはいかがでしょうか?

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2024年4月29日 (月)

愛媛 Web3.0 カレッジ2023に参加してみました

こんにちは!
イノベーション開発部の橋村です。
ここ数年、Web3.0というワードを耳にすることが多くなってきました。自民党でも2022年にWeb3.0プロジェクトチームが組まれて、NFTに関する提言がなされたようなのですが、恥ずかしながら当時はNFTってなんですか~という状態でした。
自民党web3プロジェクトチームでは昨年から資料をnoteに公開しているそうで、注目度の高まりを感じます。
(自民党web3プロジェクトチームのnote:https://note.com/akihisa_shiozaki/n/n8c7ce077e068
web1.0は読むだけで一方通行、web2.0は読み書きで双方向の情報受発信、web3.0はさらにそれぞれが分散してデータを保持するということのようです。(経済産業省「Web3.0」:https://www.meti.go.jp/policy/economy/keiei_innovation/sangyokinyu/Web3/index.html
いつか真面目に勉強せねばと思っていたところ、愛媛県主導で Web3.0のセミナーを開講すると聞きまして、勢いで受講を申し込んでしまいました。(愛媛Web3.0カレッジ2023:https://ehimeweb3college.dhwschiba.com/
もともと技術的な理解を深めることを期待して覗いてみたセミナーだったのですが、蓋を開けてみると全然そんなことはなく。さまざまな立場の方が参加されていて、知識やノウハウというよりは、新しい技術や考え方が、それぞれの業界の方にどのように受け止められているのか、どのように活用しようと考えているのか、実際にお話ししてみることができるという、たいへん得難い機会でした。
Web3.0の特徴としてよく挙げられるのは下記のようなものとされています。
• 自律分散・双方向・脱中央集権・DAO
• ブロックチェーン・デジタルアセット・NFT
• メタバース
全6回の講座の締めくくりに、Web3.0を今後の生活にどのように活かしていくか?というプレゼンを各自発表することになったのですが、私のほうからはメタバースとNFTに着目して、市区町村の公民館・集会所を繋いだ双方向メディア配信プラットフォーム、という提案をさせていただきました。利用者の平均年齢をおよそ70歳と見込んだプランです(笑)
さて、コロナ禍以来、テレワーク・オンライン会議・ペーパーレス化など、遠隔・非接触で業務を行うことに対して、さまざまな取り組みがなされました。また実際にWebカメラやコミュニケーションツールが大いに活用され、時間と場所を問わない働き方が社会に受け入れられる大きなきっかけとなったように思います。
いずれ法律分野においても、この影響は避けられないと考えています。さすがに、現在のVRヘッドセットを装着して業務を、という形にはならないと思いますが・・・

Vr



現在、弊社の登記用電子署名サービスRSS-SRでは、リモート環境で複数人が書類に対して署名を行う(署名リレー)を実現する機能が装備されています。
今後、非対面・非接触状態で業務を行うような世界になったときに備えて、まずはその基盤になるであろう電子署名をサポートしよう・・・というものです。できる限り皆様の業態に寄り添った形でサービスを提供できるよう、製品開発に努めて行きたいと思います。
いやぁ、いっぱい覚えないといけないことがありますね(^▽^)/

2024年3月11日 (月)

戸籍の広域交付スタート

こんにちは。イノベーション開発部の西山です。

桜の開花が待ち遠しいこの時期、皆様いかがお過ごしでしょうか。
この冬は暖冬傾向で、本社のある愛媛も暖かい日が多かったように思います。
とはいえ桜の開花に必要な一定の寒さもあり、今年の桜の開花予想は平年より早くなるところが多いようです。
ソメイヨシノの開花を楽しみにしたいと思います。

さて、皆様ご存じと思いますが、先日3月1日から、戸籍を本籍地以外でも取得することができるようになりました。

戸籍謄本など戸籍に関する証明書は、これまで基本的には、本籍地の市区町村役場でないと取得することができませんでした。
本籍地が遠い場合や、相続手続で被相続人や相続人の本籍地が複数各地にある場合などは、各地の役場に郵送請求して取り寄せることになり、時間や手間がかかっていました。
今後は、最寄りの市区町村の窓口で、まとめて取得することができるようになります。

ただし、郵送や代理人による請求はできない、一部事項証明書等は請求できない、コンピュータ化されていない一部の戸籍・除籍等は取得できない、戸籍の附票は対象外、などの制限があります。

戸籍法改正について詳細は、法務省のHPをご参照ください。
参照)法務省HP-戸籍法の一部を改正する法律について(令和6年3月1日施行)

なお、各市区町村から法務省の戸籍情報連携システムにアクセスが集中し、戸籍証明書の交付がしにくい状況になっているようです。法務省で改善作業を行っているとのことですので、早く改善されて広域交付を利用できるよう願っています。

Hp



間もなく4月1日から相続登記の義務化が施行予定で、今後相続登記が増加することが予測されます。
戸籍収集は相続手続で手間がかかる作業の1つかと思いますが、広域交付により便利になるのではないでしょうか。
司法書士が相続案件を受任する際は、予め依頼者自身が取得できるものは最寄りの役場でまとめて取得していただき、不足する分を司法書士が代理請求する等で、時間や手間を省くことができるのではないかと思います。

今後も、様々なものが、より便利に利用できる仕組みになっていくことを期待したいですね。

2024年2月26日 (月)

セキュアな通信路

お久しぶりです。アース(接地)がearthだったことに最近気が付いたイノベーション開発部の長野です。

早速本題です。
インターネットでサービスを受ける際、インターネットに接続するために使ったケーブルや電波の中をデータが通っていきます。
私たち人間にはそのデータは見えませんが、接続された機械には電圧の大小を0や1と解釈してその内容は丸見えです。
例えばあなたが"ABC"と入力して「決定」した場合、操作した端末は"ABC"を0と1に変換して、LANケーブルやWiFiの電波等で送出します。
受け取ったサーバは0と1を元に戻して"ABC"を得るのです。
あなたの操作した端末とデータを受け取って処理するサーバの間には、ルーターやリピータなどデータを中継する機器が介在しています。
これらの機器はデータを右から左に移動させることが仕事ですので、その処理中にデータの内容が否が応でも見えてしまいます。
あなたの個人情報をサービス提供者にインターネットで送る際、どのような通信経路で届くか分からない以上、「なんとなく気持ち悪い」という感情は同感頂けるのではないでしょうか。

Internet_modem_router



で、今回説明します「セキュアな通信路」になるわけです。
「セキュアな通信路」とは、通信内容を途中で見られても大丈夫な通信路になります。実際は安全な通信路を別に用意するのではなく、通信する内容を見られても大丈夫な様に暗号化して送るということで実現します。
そう、皆さんご存じのhttpsという訳です。httpsのsはSecureのsです。
httpsを使って安全にサービスを受けましょう、で終わればここまでなのですが、もう少し踏み込んでみます。
このSecureのsですが、実は色々な暗号化の方式があり、既に危険な暗号化方式もあります。
例えばSSL3.0、TLS1.0等がその暗号化方式の種類になります。
IPAでは「TLS 暗号設定ガイドライン」(https://www.ipa.go.jp/security/crypto/guideline/ssl_crypt_config.html より)で
TLS1.2以上【のみ】の使用を推奨しています。
では、サービスを利用する私たちはどうすれば良いのでしょう。
TLS1.2という暗号化方式は、サービスをする側と受ける側の両方が対応して初めて機能します。
サービスする側のリーガルは既にTLS1.2に対応した経路を準備しています。
サービスを受ける私たちはTLS1.2に対応したウェブブラウザを利用すれば良いのです。
例えば、次のURLからその対応状況がわかります。(https://jp.globalsign.com/support/ssl/confinfo/tls.html
ご覧いただければ直ぐに分かりますが、普通に使うウェブブラウザは全てTLS1.2に対応しています。
TLS1.3という次代の暗号化方式も出てきております。自然にそれに対応できるようウェブブラウザのバージョンを時々は気にしてください。
今回もお付き合いくださりありがとうございました。では、また。

2024年1月15日 (月)

Embeddingを試してみる

こんにちは、イノベーション開発部の森です。
今回は最近私が学んだ面白いトピックについてお話ししたいと思います。それは「Embedding」(エンベディング)です。
そもそもEmbeddingって何でしょうか?
簡単に言うと、これはデータをコンピュータが理解しやすい形に変換する方法の一つです。
Embeddingとは、単語や文、画像などの情報を、その単語や文の意味を表現するベクトル空間に配置することです。配置することで、その位置関係から要素同士の関係性を数値で扱える様になり、検索エンジンやレコメンド機能、チャットボットなど様々なものに利用できます。
例えば検索エンジンで利用する場合、キーワード検索では、キーワードが含まれている文しか検索できませんが、キーワードの持つ意味で検索をすれば、近接する意味の単語を含む文も検索できます。ネットショッピングのとき、「これもおすすめです」という商品の推薦を見たことがあるかと思います。これはEmbeddingの一例で、コンピューターが私たちの購買履歴や好みを分析して、新しい商品を提案してくれます。
今日では、上記のネットショッピングのレコメンドのほかにも様々なサービスにおいてEmbedding技術は利用されています。

では次に、Embeddingではデータの関連性をどのように導き出しているのでしょうか。実際にEmbeddingを使って画像データを3D空間にマッピングしてみました。
今回の目的は3つのジャンル、動物、乗り物、キッチン用品の画像からそれぞれ特徴抽出させて、各ジャンルがどのように分布するかを図示することです。手順としては画像の情報を単純化したベクトルデータに変換し、そのベクトルに沿ってマッピングするという手順になります。
通常、画像からベクトルデータに変換する際にはもっと高次元の複雑なデータが得られますが、今回はデモンストレーションのために3次元に次元削減してみました。
そして実際にマッピングしてみた結果が以下の画像です。

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動物、乗り物、キッチン用品といった異なるカテゴリの画像が、それぞれ固まっている様子が3Dマッピングで視覚化されました。
Embeddingでは、それぞれの点の近さがその類似性を表します。近ければ近いほど類似性があるということになります。
そのため動物同士でもいろんな種類がありますが、乗り物やキッチン用品に比べれば動物内の座標の方がより近いように見えます。
これは乗り物やキッチン用品と比べれば、動物同士のほうが類似性があるという結果です。

今回は単純に画像データをベクトルデータに変換してマッピングしましたが、それだけで画像の類似性がわかりやすくマッピングされたかと思います。
しかも、Embeddingでは画像に限らずテキスト、音声、動画をベクトルデータによって表現するためファイルの形式、データの形にとらわれることなく類似性を測ることができるのです。

このEmbeddingの技術は、近年私たちが利用している多くのデジタルサービスにおいて非常に重要な技術です。
さらに話題の生成AIにおいてもEmbeddingは活用されており、テキストや画像、音声データから特徴を抽出して、新しいコンテンツの生成をしています。

今回はEmbeddingについて紹介しましたが、弊社においてもお客様に便利だと思っていただけるようなサービスの開発のため、今後も勉強を重ねてまいります。
株式会社リーガルを今後ともよろしくお願いいたします。

2023年12月18日 (月)

通信速度によるストレス

 こんにちは、イノベーション開発部の浅海です。
 涼しくなったり暑くなったりの秋も過ぎて、今度は寒い冬がやってきました。秋に一時期寒くなった時の影響でペット達は毛がモフモフからモッフモフくらいになり、ほとんど冬毛の状態で暑い時期を過ごすことになってしまいました。昼間は暑そうにしていたので、まさかの冬目前に扇風機を出すことになり秋の消滅を感じていました。今年は桜が咲いていたり、過ごしやすい気温だったりと春を感じることは出来ていたので、来年以降も春は残ってほしいなと思っています。

Neco



 話題は変わりますが、先日カラオケに行った際に設備が古めの部屋に案内されました。
ここ数年、ゲームのロード時間が短くなってきたことやデータの送受信も多少のことであれば数秒程度で終わるようになってきていることもあり、通信速度の遅さや送信の際の遅さにストレスを感じるようになってしまいました。同じように感じていらっしゃる方は多いのではないかなと思っています。そんな中案内されたカラオケの部屋ですが、曲を入れる際に端末をモニターの方に向けないと曲が送信されない上に、ボタンをタッチした後も送信されるまでに10秒弱かかってしまうほどでした。これまでタッチ後はすぐに送信されるカラオケに慣れていたので、とてもストレスでした。貯まるストレスをその場で歌って解消できるという点では、それはそれでいい…なんてことがあるのかもしれません。(笑)快適になっていくのはもちろんいいことですが、それに伴って少し前のものに対するストレスや耐性もだんだん弱くなっていくものだなと実感した日でした。
今はいろいろな周辺機器やデータ通信が快適になっているこの世の中ですので、私も開発を行っていく際には、そういった最新の技術のトレンドなどをしっかりと押さえて製品やサービスに反映させていき、使用する際に感じるストレスを少しでも軽減できるよう努力していきます。これからもリーガルの製品、サービスをよろしくお願いいたします。

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