「あの日、あの時、あの場所で」が思い出せなかったら――経緯をたどれるメモの残し方
はじめまして。イノベーション開発部の阪中です。
先日、以前の自分が残したメモを読み返す機会がありました。そこに書かれていたのは、「確認済み」という短い言葉だけでした。
何を確認したのか、誰に確認したのか、その結果どうなったのか。書いたときには分かっていたはずですが、時間がたった私には、何も思い出せませんでした。「電話あり」「回答待ち」といったメモも同じです。相手や用件、何を待っているのかが残っておらず、関連するメールや資料を探し直すことになりました。
メモを書いた時点では、内容を忘れないための覚え書きという意識が強かったように思います。しかし、後から振り返ると、出来事があったことだけでは経緯を十分にたどれない場合があります。
そこで、過去のメモを見直しながら、残しておきたかった内容を「事実」「判断」「次の行動」に分けて考えてみました。
たとえば、「資料を確認済み」というメモからは、確認が終わったことしか分かりません。「○月○日、共有フォルダー内の○○資料を確認」と書いてあれば、いつ、何をしたのかを後から確かめやすくなります。
さらに、「記載内容に相違がなかった」「追加の確認が必要と判断した」など、その結果をどのように受け止めたかも残します。確認後の判断が分かれば、作業を完了した理由や、継続している理由を振り返る手掛かりになります。
判断のもとになった情報も、経緯をたどるうえで役立ちました。参照したファイル名やメールの送受信日、確認した相手などが分かれば、後から同じ情報へ戻れます。「確認済み」という結果だけでなく、何を根拠に判断したのかまで残すことで、当時の状況を思い出しやすくなりました。
もう一つ、私のメモから抜けやすかったのが、次の行動です。「回答待ち」とだけ書いてあっても、何についての連絡を待っているのか、いつまで待つのか、連絡がなかった場合に誰が対応するのかは分かりません。
「○○について回答待ち。○月○日までに回答がなければ○○から確認する」と書いてあれば、現在の状態と次の動きが一続きになります。後から読み返したときにも、どこまで進み、何が残っているのかを把握する材料になります。
こうして考えると、メモは必ずしも長い文章である必要はありません。誰が、いつ、何をしたのか。その結果をどう判断したのか。何を根拠にしたのか。そして、次に誰が何をするのか。これらが含まれていれば、短い文章でも経緯をたどりやすくなります。
一方で、内容を丁寧に書いても、付箋やメール、チャットなどに分散していると、必要なときに見つけられないことがあります。私自身も、メモを残した記憶はあるのに、どこへ書いたのか分からず探し回った経験があります。
それ以来、書き方だけでなく、記録を後から検索したり共有したりできる場所へまとめることも意識するようになりました。同じ業務に関する情報が一つの場所に集まっていれば、過去の記録を時系列で確認する際の手掛かりになります。
株式会社リーガルでは、“権”やリーガル・カルテ、成年後見システムなど、事件や相談、業務に関する情報を記録し、後から確認できる製品を提供しています。
製品に情報を保存することと、今回振り返ったメモの書き方は同じものではありません。それでも、ある時点の情報を残し、後から経緯を確認できる形にするという点には、通じる部分があるように感じます。
もちろん、何をどの程度記録するかは、業務の性質やそれぞれの運用によって異なります。「事実」「判断」「次の行動」という分け方も、私自身がメモを見直す中で得た一つの気づきです。
今回の経験を通じて、情報を残す仕組みには、内容を保存するだけでなく、必要になったときに経緯をたどれることも求められるのだと改めて感じました。こうした気づきを私自身の業務にも生かしながら、必要な情報を後から確認しやすい製品のあり方を、これからも考えていきたいと思います。









