登記統一文字とベース・レジストリ その2
前回の続きです。
前回は登記業務における外字の取り扱いについて「登記固有文字」は行政事務標準文字の前提である「標準化対象事務20業務」に含まれておらず、「標準化対象事務20業務」や税金関係の業務との互換性がないのはどうするのか、という点について考察いたしました。
「登記固有文字」の対応についていろいろ調べて、新たに発見した(わたしが知らなかっただけですが…)のが「ベース・レジストリ」というものです。これは正式名称が「公的基礎情報データベース」といって、デジタル社会形成基本法の第31条が根拠となっています。デジタル庁主導でこれは住所・所在地、法人の名称など、いろいろな制度から参照されるデータの公的な統一データベースを作ろう。という構想です。
現在はまず法人、不動産、住所の3分野に注力し、「ベース・レジストリ推進有識者会合」を中心に具体的な整備の検討を進めています。
具体的な構想は「公的基礎情報データベース整備改善計画」(最新は2025年(令和7年)6月13日) にまとまっています。
第1次公的基礎情報データベース整備改善計画(2025年6月13日閣議決定)
本文(PDF/1,320KB)
これのP6~P7に「②横断的な課題の検討」として「文字の標準化の検討」が挙げられています。ここで『社会全体の効率化の観点から、文字の規格を統一すべく、「登記統一文字」について、令和7年度中に「行政事務標準文字」への追加を行う。』と明記されているのです!
これが実現すれば、将来的には登記業務の文字セットは(現在のものから拡張された)「行政事務標準文字」となり、登記申請等は「行政事務標準文字」を使って行うようになるはずです。そうなれば登記業務も「外字の要らない世界。」に仲間入りできるのです。まだまだ先のことかもしれませんが、動向に注目し続けていきたいと思います。