登記統一文字とベース・レジストリ その1
お久しぶりです。リーガル漢字担当の総務部・網本です。
まずは前回の「ガバメントクラウドと行政事務標準当用明朝フォント」以降の動向から。デジタル庁の「地方公共団体情報システムにおける文字の標準化」によると、地方行政運営の効率化の観点から標準化の対象とされた事務(標準化対象事務20業務)について、令和7年度(2025年度)から各種証明書や郵送物で使用する文字が順次標準化される(=行政事務標準文字対応になる)。ということがはじまっています。
自治体によってはもう『「行政事務標準文字」導入について(お知らせ)』(福岡県八女市)のように、導入の案内がされているところもあるようです。
しかし。当ブログをご覧になっている多くの皆様が関心をお持ちであろう登記業務は「標準化対象事務20業務」に含まれていません。法務省管轄でも窓口が地方公共団体である戸籍業務は標準化対象事務20業務に含まれていますが、法務局という独自の窓口を持つ登記業務は含まれていません。国税の業務も同様です。
戸籍業務も実際には「改製不適合戸籍」が外字を含んでいるため、現状では行政事務標準文字対応ができません。このため経過措置(外字や従来の文字セットを維持しつつ、行政事務標準文字への段階的な切り替えを進めていく)の対象となっています。
登記業務には「登記統一文字」という外字がありますが、これは一部のみしか行政事務標準文字に含まれていません。残りは「登記固有文字」(行政事務標準文字に含まれていない登記統一文字)として残っています。登記業務は行政事務標準文字の前提である「標準化対象事務20業務」に含まれていないため、「登記固有文字」が行政事務標準文字に追加・拡張されるという展開は難しいのではないか。と考えていました。
とはいえ、登記業務は行政手続きとして独立して存在しているわけではなく、標準化対象事務20業務や税金関係の業務と密接な関係をもつものがあります。それらとの間でデータの互換性が無いというのは大きな問題のはずです。
そこで「登記固有文字」の対応状況についていろいろ調べてみました。
翌週に続きます。