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2012年10月15日 (月)

民法等の一部改正

はじめまして。システムサポート部の門岡と申します。

秋になると、大手出版社から次年度の六法が発売になります。私が学生の頃、新しい六法を購入すると、まずは、憲法を除く基本六法の法改正がないか、チェックしたものです。購入する前から改正があったことを知っている法律については、心の準備ができているので、チェックするときに、さほどドキドキしませんでした。しかし、法改正があったことを知らなかった法律については、改正事項を見つけたときには、心の中で嘆きの声(また改正か…)を発したものです。

今回は平成23年の民法の親族法の改正について少しお話をしたいと思います。

児童虐待の防止を図り、児童の権利利益を擁護する観点から、「親権の喪失制度等の見直し」と、「未成年後見制度等の見直し」等の改正がなされました。
※法務省 民法等の一部を改正する法律(平成23年法律第61号)の概要
http://www.moj.go.jp/content/000082603.pdf

前者の「親権の喪失制度等の見直し」については、親権停止制度の新設(民法834条の2)が目玉です。従来は、あらかじめ期限を定めて親権を制限する制度はありませんでしたが、改正により、家庭裁判所は「父又は母による親権の行使が困難又は不適当であることにより子の利益を害するとき」に、2年以内の期間を定めて親権停止の審判をすることができるようになりました。この改正で昨今マスコミ報道されているような児童虐待が少しでも減ることを願います。

後者の「未成年後見制度等の見直し」については、法人の未成年後見人の許容(民法840条3項)と複数の未成年後見人の許容(民法840条2項)が興味深い改正です。というのは、平成11年民法改正の際に、成年後見人については、「法人」が後見人になることを許容し、かつ「複数人」が後見人になることを許容しました。にもかかわらず、未成年後見人についてはそれらを許容してきませんでした(旧民法842条参照)。当時私の頭の中では、未成年後見人は親権者の代わりになる人なので、「生身の人間」でかつ「1人」しか駄目なのだと記憶したものです。ところが今回の改正により、成年後見人だろうが未成年後見人だろうが違いはなくなりました。

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このように未成年をとりまく法環境は着実に良い方向へ変わって行きつつあります。今後の成り行きを注視していきたいと思います。

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