« 世界水泳選手権2023 福岡大会 | メイン | ドローンが身近な存在に »

2023年10月 2日 (月)

AI等を用いたリーガルテック

 こんにちは、イノベーション開発部の門岡です。
 令和5年8月1日に、法務省大臣官房司法法制部からAI等を用いた契約書等関連業務支援サービスの提供と弁護士法第72条との関係に関するガイドラインが公表されました。今回は、公表されたガイドラインについて取り上げてみたいと思います。
 近時、AI等を用いて契約書等の作成・審査・管理業務を一部自動化することにより支援するサービス(以下、「本件サービス」と略称します。)が一部の事業者から提供されています。
 しかし、弁護士法第72条は「弁護士又は弁護士法人でない者は、報酬を得る目的で訴訟事件、非訟事件及び審査請求、再調査の請求、再審査請求等行政庁に対する不服申立事件その他一般の法律事件に関して鑑定、代理、仲裁若しくは和解その他の法律事務を取り扱い、又はこれらの周旋をすることを業とすることができない。」と規定しており、本件サービスが同条に違反しないかが問題となっていました。
 そこで、法務省は同条と本件サービスとの関係の予測可能性を高めるため、以下のガイドラインを公表しました。

①「報酬を得る目的」…サービスの運営形態、支払われる金銭の性質や支払目的等を考慮し、利益とサービス提供との間に対価関係が認められるか否かを判断。
②「訴訟事件…その他一般の法律事件」…個別の事案ごとに、契約の目的、当事者の関係、経緯や背景事情等を考慮し、法律上の権利関係に関し争いがあり、あるいは疑義を有するか否かを判断。
③「鑑定…その他の法律事務」…サービスの機能と表示内容によって判断。

 上記①②③のいずれかに該当しない場合には、本件サービスの提供は弁護士法第72条に違反しない。
 また、①②③のいずれにも該当する場合であっても、④弁護士が自ら精査し、必要に応じ修正する方法で使用する場合は、本件サービスの提供は弁護士法第72条に違反しない。

 非弁行為が弁護士法第72条に該当するか否かについては、最終的には個々の事件において裁判所が判断することになりますが、今回のガイドラインにより、本件サービスを提供する事業者やそれを利用する弁護士にとって、大変意義のあるものだと思われます。
 詳細は、法務省のホームページをご覧ください。

Ai



法務省資料より一部抜粋して引用

2024年11月

          1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30

検索

 
 
 
各製品Webサイト