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2023年6月12日 (月)

外字の要らない世界。

お久しぶりです。リーガル漢字担当の総務部・網本です。
今まで何度か漢字の検索ツールとして「文字情報基盤検索システム」を紹介してきました。この「文字情報基盤」というのは、平成22年(2010年)より、情報処理推進機構(IPA)によって始められた、行政で用いられる人名漢字等約6万文字の漢字を整備するプロジェクトです。

具体的には、JIS漢字と戸籍統一文字、住基統一文字を統合して「文字情報基盤 文字情報一覧表(MJ文字情報一覧表)」としてまとめて国際標準化する。これに対応する文字フォント「IPAmj明朝フォント」を作成する、というものです。

平成29年(2017年)にISO/IEC 10646(UCS)第5版で規格化が完了しました。この国際規格は、実際には業界標準規格のUnicodeと同等(Unicode規格は国際規格のISO/IEC 10646と同じ文字コード表になるように協調して策定されている)であり、Unicode 12.0.0以降では戸籍統一文字、住基統一文字がカバーされている。という状況です。ISO/IEC 10646(=Unicode)は、JISでもJIS X 0221 - 国際符号化文字集合として規定されています。

文字情報基盤整備事業は、令和元年(2020年)にIPAから一般社団法人 文字情報技術促進協議会へと民間移行されています。文字情報基盤の全ての文字をカバーした「IPAmj明朝フォント」は現在はここで公開されています。このフォントはWindowsでも利用可能です。

これはどういうことかというと、「IPAmj明朝フォント」を導入すればWindows環境で戸籍統一文字(55,270文字)、住基統一文字(19,563文字)を、外字を使わなくても蓄積したり印刷したりすることが出来る、ということなのです。

簡単にWindowsでの文字情報基盤の利用方法を説明します。

①「IPAmj明朝フォント」をインストール

IPAmj明朝フォント | 一般社団法人 文字情報技術促進協議会

②「文字情報基盤検索システム」で漢字を検索

文字情報基盤検索システム

Photo



③検索結果の「コピーフィールド」の文字を、WordやExcelに貼り付ける。

Photo_2


たったこれだけです。

しかし、登記供託オンライン申請システムはまだUnicodeには直接対応していません。JIS第1及び第2水準と一部の記号類のみしか使えません。登記申請で戸籍統一文字を利用するためには、現在は所定の方法で文字データを埋め込ませなければいけません。

また、登記統一文字は文字情報基盤でカバーできていませんので、仮に登記オンライン申請がUnicodeに対応したとしても、登記統一文字は外字としての扱いになってしまいます。

つまり、現状は法務省のオンライン申請に使用する際には「戸籍統一文字」や「登記統一文字」に関しては従来通りの使用をしていただく必要がありますが、申請以外での一般的な利用については「文字情報基盤」をお試しいただくのも一つの方法かと思います。

とはいえ、Windows環境でJIS X 0213+戸籍統一文字+住基統一文字の58,862文字が扱える、というのはかつて夢見た世界。新時代です。これからどんどん直接使える範囲が広がっていくことを願いたいと思います。世界中全部変えてしまえば。

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