代理人を異にする共同申請・連件申請のオンライン申請(後編)
今回は前回に引き続き、代理人を異にする共同申請事件及び連件申請事件
のオンライン申請に関する記事です。
登記・供託オンライン申請システムへ送信する申請データの仕様については
法務省から民間企業に公開されているので、法務省の総合ソフトと同様に
民間の業務処理ソフト(司法書士システム“権”等)にも申請データの
出力・取込機能を装備することができます。
司法書士システム“権”には申請データのやり取りを安全かつ確実に行うため、
申請データの出力・取込機能に加えて次のような便利な機能が装備されています。
①申請データのzip圧縮とパスワード設定
“権”には申請データを出力する時に申請データを自動的にzip圧縮し、
パスワードを設定する機能が装備されています。
申請データにパスワードを設定しておけば、申請データを送った代理人だけに
パスワードを伝えることで安全に申請データのやり取りができます。
②申請データの署名検証機能
“権”には取り込んだ申請データに付与された電子署名の検証機能が
装備されています。
電子署名の検証とは、電子署名が付与された後に、申請データが
改ざんされていないか、あるいは電子署名に使用した証明書の有効期限が
切れていないか等を確認することです。
“権”ではパスワード保護と署名検証機能によって安全・確実な
申請データのやり取りが可能になっています。
ただし、“権”を使ってオンライン申請をしたものを補正する場合、
現状はオンライン申請したパソコンからでないと補正処理ができない
という点にご注意ください。
送信後の申請データの仕様は民間企業に公開されていないので
このような注意事項があるのです。
この点が改善されれば、今よりもっと柔軟なシステム設計が可能になるのでは
ないかと思います。
司法書士システム“権”を使用した場合の詳細な手順書を保守ホームページに
掲載していますので、代理人の異なる共同申請や連件申請をオンラインで
行われる場合は、ぜひ参考にしてください。