カテゴリ「イノーベション開発部」の226件の記事

2013年5月20日 (月)

電子記録債権って何?

こんにちは。法務部の重松です。
本日は電子記録債権について、取り上げてみたいと思います。

ご存知の方も多いと思いますが、電子記録債権とは、電子債権記録機関が作成する記録原簿に、電磁的に記録することによって発生や譲渡などが行われる金銭債権のことを言い、電子記録債権法によって制定されました。従来の手形取引における、手形の交付や保管にかかるコストを削減し、紛失や盗難といったリスクを回避して、売掛債権等を有する事業者の資金調達の円滑化を図るのが主な目的だったようです。実際、電子記録債権の場合は印紙が不用ですので、手形に要していた印紙代だけでもかなりのコストダウンが図れるのではないでしょうか。

ちなみに、電子債権記録機関としては、平成25年1月31日時点で次の4機関が指定されております。

  日本電子債権機構株式会社
  SMBC電子債権記録株式会社
  みずほ電子債権記録株式会社
  株式会社全銀電子債権ネットワーク

一番最後に指定された「株式会社全銀電子債権ネットワーク」というのは、全国銀行協会が母体となって設立された機関で「でんさいネット」という電子記録債権を使った決済サービスを提供しています。具体的には、パソコンから債権の発生記録や譲渡記録ができ、支払期日になると支払者側の口座から受取側の口座に自動送金されるようです。この「でんさいネット」には、2013年2月18日時点で17,000社ほどの企業が利用者登録をしているようですが、今後益々増えるのではないでしょうか。

そう言えば、根抵当権設定時の被担保債権の範囲にも、電子記録債権という用語を用いて問題ない旨の登記に関する通達も出てましたので、既に一般的に利用されているのかも知れません。

ソフト開発会社としては、この電子債権を記録したり管理するシステムがどのようなフローで処理されているのかの方も気になるところですね。


2013年4月22日 (月)

民法改正について

法務部の津田です。
今回のブログ記事ですが、民法改正について少し書きたいと思います。

これまで民法の改正に関して、内田貴先生(法務省経済関係民刑基本法整備推進本部参与、民法(債権法)改正検討委員会事務局長)の著書や、インターネットの情報で少しずつその内容が明らかになってきましたが、ついに2月26日に中間試案が法務省HP(http://www.moj.go.jp/shingi1/shingi04900184.html)に発表されました。
この中間試案はパブリック・コメント(平成25年4月16日から同年6月17日までの予定だそうです)にかけられ,寄せられた意見の内容も踏まえて民法改正案がまとめられることになっており、最終的には大幅な条文の増加や用語の説明、具体的な手続き等を条文に盛り込む等、みんなが使いやすい法律を目指すとされています。

私自身この中間試案をすべて読んだわけではないですが、例えば、現行の民法424条の詐害行為取消権に対して、中間試案の改正は、はるかに同条文の内容が増えている等、大幅な改正が見受けられます。

その他、約300点の改正点の内、現代企業にとって不可欠となった、約款に対する改正や、保証人の改正の論点が印象深かったです。確かに民法が施行された120年前に、これほどまでに約款が重視されると起草者たちも思わなかったのかもしれませんが、自由な経済活動を促進した一面もあります。しかし実際に契約する段階において、細かい約款をくまなく読む人は少なく、企業側と契約した後、いざ問題が起きた時に不当に等しい約款に縛られて泣き寝入りの状態を回避するための改正であると思われます。また保証人についても、特に負担が大きい連帯保証人制度の見直しは、借りる側にとって歓迎すべきものであると思われますが、貸す側の金融機関としては、貸し渋りが発生する可能性があり、経済界の要請とのバランスが今後注目されると思います。

いずれにせよ士業の方々にとって、民法の改正(債権関係)は重大な出来事であり、弊社にも多大なる影響があると思われますので、今後とも注目していきたいです。

 

2013年4月15日 (月)

WindowsXPのサポート期間について

開発部の大島です。
今回はWindowsのサポート期間に関して少しお話させていただきます。

最近、WindowsXPのサポート期間が1年後に切れるというニュースをご覧になられた方もいると思います。少し詳しく説明しますと、OS発売後の5年間は通常サポート期間、その後の5年間は更新プログラム提供がメインの延長サポート期間、として2段階で構成されます。
※Microsoft - サポート終了の重要なお知らせ
http://www.microsoft.com/ja-jp/windows/lifecycle/xp_eos/consumer/default.aspx

今回は延長サポートが切れる、すなわちサポートが完全に終了することからニュースになっています。マイクロソフト曰く、サポートの提供は「合計最低10年間」ですので延長することは可能のようですが、おそらく延長はないでしょう。

では、肝心のWindowsXPがいつ切れるのかということですが、答えは2014年の4月8日です。ついでに他のOSはどうなのかもマイクロソフトのサポートページで調べてみました。

Windows XP      : 2014年4月8日
Windows Vista   : 2017年4月11日
Windows 7         : 2020年1月14日
Widnows 8         : 2023年1月10日

このようにしてみると3年周期でOSのサポートが切れることがわかります。さて、OSのサポートが切れるとどうなるのでしょうか?これもマイクロソフトのサポートページで下記のように書かれていました。

・サポート終了による影響
サポート期間終了後のもっとも大きな影響は、セキュリティ更新プログラムが提供されなくなることです。これは、サポート終了となる製品をお使いのすべてのお客様に影響し、お客様はセキュリティ上のリスクが高い状態でお使いいただくことになります。


ここで最も大事な部分は「セキュリティ更新プログラムが提供されない」という部分です。これはマイクロソフトとしては基本的には何が起こっても対応しないということを意味し、例えばPCが壊れるかもしれないセキュリティ上の問題が発生したとしても、それは自分でどうにかしないといけないことを意味します。ここでいうところの「セキュリティ上の問題」とは、ウイルスのことだけではなく、ドライバの提供やバグ修正なども含まれます。

一応、ウイルスに関してだけならウイルス対策ソフトを使うことで対応することができるかもしれません。しかし、今までWindows2000などでの対応を見る限り、ウイルス対策ソフトはサポートが切れたOSに対応してくれません。実際、現在販売中の対策ソフトの中にはWindowsXPのサポートを終了したものもあります。無料の対策ソフトや、海外のソフトを使うことも解としてはありますが、どちらも基本お勧めしません。対策ソフト自体がウイルスを含んでいる場合もありますし、それでなくても各種ソフトの起動に必要なファイルがウイルスと判定されて起動できないことも実際起こっています。

どちらにしてもインターネットに接続したり、事務所内でほかのPCとつながる可能性がある場合は注意が必要でしょう。

“権”をはじめとする弊社商品の対応をどうするかは現段階ではまだ決まっていません。しかし、問題が起こるかもしれないOSを使い続けることはリスクがあるということから、近い将来、対応OSが変更されることは間違いないでしょう。まだWindowsXPを使っている方がいらっしゃれば、マイクロソフトのサポートが切れる前にPCの買い替えを検討してみてはどうでしょうか?

追記ですが、Microsoft Officeにもサポート期間があります。

Word 2002 : 2011/07/12
Word 2003 : 2014/04/08
Word 2007 : 2017/10/10
Word 2010 : 2020/10/13
Word 2013 : 2023/04/11

これはマイクロソフトのサポートとしての期限です。“権”の対応とは必ず一致しませんが、ご注意を!

 

2013年4月 1日 (月)

中国の高齢化社会

こんにちは。開発部の明です。

去年はなかなか忙しい一年でした。おかげで日本に来てから初めて帰国できなかった一年でもありました。そうです。私は中国からまいりました。

二十歳の頃日本に来てもう15年も経ちました。昔は故郷の親族や友人、または地元料理が恋しくて毎年帰っていましたが、最近は時々親に孫の顔を見せに行くぐらいなものです。

私が生まれた年から中国で『一人っ子政策』と呼ばれる政策が実施され、従って、私は兄弟の存在が認められない第一期の“被害者”になりました。当時は必要な政策だったかもしれませんが、今となってはそれなりに代価もあり社会問題になりつつあります。

統計によると、一人っ子政策実施により、中国は全体の人口を4億削減しました。また、全世界の人口が70億人になる日を5年も後伸ばしすることになりました。確かにそれは素晴らしい功績かもしれません。でもその反面、一人っ子政策実施初期頃の親たちが高齢者になりつつあり、元々その親御さんの身近に成長したお子さんがいれば、晩年のお世話や生活面でも問題にはなりませんが、私のように海外に居たり、田舎から離れて大都市でお仕事されている人も大勢いる中、問題の表面化が止まりません。

中国の高齢者社会を作ったもう一つの原因は夭折です。中国は「失独家庭」という単語がありますが、要するに一人っ子を亡くした家庭のことを指します。統計によると、現在中国は毎年約7.6万戸の家庭が「失独家庭」になります。全国の「失独家庭」数は既に百万の大台を超えました。さらに、現在2.19億人の一人っ子の中で1009万人が25歳までに夭折する可能性が高いと予測され、すなわち近々の将来では1000万強の家庭が「失独家庭」になる可能性があります。

高齢化社会の問題を食い止める方法は国や地域によって、いろいろ取り方はあると思いますが、成年後見制度はまさにその問題を解決するための制度です。日本もまだまだ成年後見制度について先進国とは言い難いですが、それでも法律や環境は整備されてきています。それに対して、中国はまだ赤ん坊レベルとでも言いましょうか。老後の身辺看護や財産管理等は子供以外の誰かにしてもらうことは中国の国情から考えても法律、契約の束縛がなければ、かつ一定の信頼関係の上でなければそもそも存在し得ないことだと思います。近頃、自ら好んで老人ホームに入居する高齢者も後が絶ちません。

高齢になる親の老後の世話は私にとっても他人事ではないですので、中国の偉い方々には一日でも早くそのための環境整備に尽力していただきたい所存です。多分私のような切実な考えや願いを持つ人も決して少数派ではないと思いますので、その時は成年後見制度の先輩である日本の経験を伝授してあげられたらいいなと夢見るこの頃です。

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2013年3月11日 (月)

タブレットについて

こんにちは。開発部の橋村です。

私事で恐縮ですが、昨年の10月頃、家族が誕生日にGoogleのタブレットNexus7をプレゼントしてくれました。

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恥ずかしながら、毎月の通信料が上がるのがイヤで、携帯ガジェットには疎かったのですが、最初はおっかなびっくり使い始め、今では手放せないツールになっています。実際に生活の中で利用するようになって以来、デスクトップ/ノートPCを利用したデータ処理にいかに無駄があったかを実感しています。

ソフトウェア機能のバリエーションや、処理するデータのサイズ、入力支援の多様さなどは、強力なPCリソースをフルに利用可能で、これまでソフトウェア資源の蓄積があるデスクトップPCに一日の長があります。

しかし、キーワードを検索・表示して内容を読むなど、データを閲覧する機能については、携帯ガジェットでも必要十分なパワーがありますし、画面を見やすい場所に置く、表示を変更するなどの小回りがきき、利用時に機材の設置場所まで足を運ぶ必要がない(これは盲点でした)。必要なとき、たとえば友人との会話中でも、わからないことをネットで参照して確認できる、というアクセスの簡便さは得がたいものです。

おそらく、これからしばらくの間は、情報を検索、閲覧、確認する場合はウェアラブルな携帯端末で、文書を作成・加工するなど、データを大量に作成する場合は、入力しやすく、またセキュリティが確保された機材で、というように棲み分けが行われていくのでしょう。

さて、Windowsの電源を入れ、弊社のソフトウェアを立ちあげてからの効率アップ、無駄の削減については、これまで社の内外を問わずさまざまなご意見を頂き、少しずつではありますが、改善に取り組んで参りました。

しかしながら、近年、デバイス自体も、ネットの利用形態も多様化し、Windows自体もバージョン8からモバイルユース、ライトユースへの大幅な転換を行いつつあります。Windowsに限らず、目的や利用シーンに応じたデバイスを再度検討し直し、現在のサービスを分解・再構成して、ピンポイントで役に立つサービスを提供していくアプローチが必要なのではないか、と感じています。

もちろん、セキュリティの問題、利用形態の問題、デバイスの価格や管理の問題、実際の人力作業コストなどなど、様々なハードルがあることは承知しておりますが、サービスの品質はそのままに、より自由度と利便性を高めた商品を提供できるよう努めて参りたいと考えております。

引き続き、皆様のご意見・ご要望を頂戴できれば幸いに存じます。
今後とも、どうぞ宜しくお願いいたします。

2013年2月18日 (月)

アルゴリズムのお話

こんにちは。開発部の横山です。

今年の冬も寒い日が続いておりますね。私は昨年から流行しているマイコプラズマ肺炎にかかり、数日の間完全にダウンしてしまいました。最近ではインフルエンザも流行っているので、こまめな手洗いやマスクの着用などの対策を心がけ感染しないように皆様もお気を付け下さい。

さて、突然ですが皆さんアルゴリズムってご存知ですか?

なかなか普段は耳にすることがないかもしれませんね。アルゴリズムとは、ある問題を解くための手順を定式化して表現したものです。コンピュータにおいては計算を行うときの計算方法と言えます。今回はソフトウェアを開発するにあたって重要な、アルゴリズムと言う概念について簡単にご紹介したいと思います。

一例として、「1から100までの数を足した数を計算せよ」という問題を考えてみましょう。単純な方法として、1+2+3+・・・+100のように順番に足し合わせていけば答えが出るでしょう。では、新たに「1から100000000までの数を足した数を計算せよ」という問題が出されたならばどうでしょう。今度は同じ方法だと、かなりの計算回数が必要になってしまいます。

別の計算方法を考えてみましょう。1と100、2と99、3と98というような数が2つずつの組を作り、組同士の数を足し合わせると合計が101の組が50個できます。この組全て合わせれば答えが出ます。この方法を、足し合わせる最後の数をnとして一般的にするとn(n+1)/2(nが偶数の場合)となりますので、足し算、掛け算、割り算各1回ずつの計3回の計算で済みます。足し合わせる数がいくつになってもこの計算回数は変わりませんので、単純に足し合わせていく方法より格段によい方法と言えます。

ずいぶん楽になったと思いませんか?

このように、アルゴリズム(計算方法)を工夫することができればより効率よく解に辿り着くことができます。ソフトウェア開発においても、より良いアルゴリズムを適用できれば処理にかかる時間を大幅に短縮できる可能性があります。

弊社の開発部でも、お客様にとってより使いやすいソフトウェアを開発できるように、日夜アルゴリズムについて頭を悩ませていますので、ぜひとも今後の製品にご期待ください。

2013年1月28日 (月)

コンピュータのセキュリティー雑感

お久しぶりです。開発部の長野です。

皆様は、この文章をどんな環境でご覧になっているのでしょうか。据え置きのコンピュータやノート型のコンピュータ? はたまた、携帯やスマートフォンでしょうか。

昨今は、個人端末でインターネットがつながりますので、本当に「いつでもどこでも」が現実的になってきています。そういう私も、携帯電話とスマートフォンの2台持ちで、いつでもどこでも「縛られて」います。ただ、この便利なインターネットは注意しながら使う必要があります。

私の自宅もインターネット回線を引いていますが、仕事柄セキュリティ意識がある私だけでなく、家族も同様にコンピュータを使います。そうなると当然、セキュリティーに関して考えないわけにはいきません。OSはWindowsで、標準添付のファイアーウォールはもちろん、ウィルスチェックソフトも入っています。ですが、果たしてこれで万全でしょうか。

確かにファイアーウォールがあれば、勝手な侵入は防げます。そして、ウィルスチェックソフトは、正しくウィルスをチェックしてくれます。しかし、コンピュータの一番のセキュリティーホールは皆様もご存知の通り、人間です。

ウィルス作成者は、ここをついてきます。ファイルをダウンロードしようとするのも、実行しようとするのも人間です。あからさまなウィルスは、そのどこかの時点でウィルスチェックソフトが止めてくれるでしょう。しかしながら、ウィルスチェックソフトが未対応な新作ウィルスだとどうなるでしょうか。ダウンロードしたソフトが悪意を持ったものでしたら、為す術もありません。

インターネットは、もはや仕事にそして日常に欠かせないものです。だからこそ、少なくとも仕事で使うコンピュータと趣味で使うコンピュータは分ける必要があるでしょう。仕事に使用するコンピュータに、得体の知れないソフトを、ちょっとだけだからとダウンロードするのはもってのほかです。スマートフォンもコンピュータと同じと考えると、会社用、個人用と分けるべきでしょう。

なにやら、勝手にカメラを操作して定期的に写った画像を送信するウィルスもあるそうです。スマートフォンに搭載されたGPS機能によってどの位置で撮影された画像かも分かってしまいます。そんなウィルスに侵されてしまいますと、あなたの私生活は丸裸です。

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※スマートフォンへのアプリインストール「同意」の例
「同意」するからには写真、居場所が筒抜けになっても仕方が無い?

私はそんなことにならないように、必要なとき以外はスマートフォンの通信を切断状態にし、GPSも使用不可にしています。これは極端な例ですので皆さんがそうする必要はもちろんありませんが、利便性だけでなく危険性も十分認識した上で利用する事が自然と求められていることは間違いありません。

2013年1月 7日 (月)

オンライン減税 3月末で終了?

こんにちは。法務部の西山です。

新年が始まって早7日が経ちました。ここ数年、元旦に近所の神社へ初詣に行きおみくじを引いています。知らなかったのですが吉とか凶とかより説明に何が語られているかが重要らしく、また「吉であっても気をつけよ、凶であっても用心して誠実に事にあたれば必ず御加護がある」ということらしいので、今年1年良い結果となるよう心がけたいと思います。

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さて、1月1日より復興特別所得税が導入されました。対応はお済でしょうか? 何度かブログでも記事()になっていますので、詳しくはそちらをご覧ください。同じ税金関連で今回は登録免許税関係の話題を。不動産登記や商業登記をオンラインで申請する際の登録免許税の特別控除が、平成25年3月末に期限を迎えます(租税特別措置法第84条の5)。現時点では平成25年度税制改正が確定しているわけではないので決定ではありませんが、延長要望も出ていません(逆に廃止要望が出ています)ので、予定どおり3月31日までの措置となる可能性が高いと思われます。

オンライン申請時の特別控除は、平成20年1月1日から実施されました。特定の登記において登録免許税額の10%(当初上限5000円。現在は上限3000円)を控除するというもので、同時期(平成20年1月15日)から実施された不動産登記オンライン申請の特例方式と相まって、オンライン申請の利用を促進する一因となってきたかと思います。

あれから5年、オンラインでの申請が定着した司法書士さんも多いのではないでしょうか。登録免許税の軽減措置は無くなるかもしれませんが、オンライン申請は、登記所の窓口に出向かなくてもインターネットで事務所や自宅から申請ができる、登記所の窓口が閉まった後でも送信できる等のメリットがあります。登記事項証明書の交付請求では、オンラインの方が手数料が安く設定されていますし、定款の認証に電子公証を利用すれば印紙代4万円が不要となるというメリットもあります。

これまでオンラインを利用していない方も一度試してみては如何でしょうか。
税制改正要望は、以下のHPから確認できます(内閣府 税制改正要望 2013年度)。
http://www.cao.go.jp/zei-cho/youbou/
電子情報処理組織による登記の申請の場合の登録免許税額の特別控除は、廃止要望が出ており(内閣官房 既存租特の見直し事項)、住宅用家屋の所有権保存登記等の特例措置や、土地の所有権移転登記等の特例措置などは延長要望が出ています(国土交通省等)。

2012年12月10日 (月)

自治体と後見制度

こんにちは。法務部の岩口です。

12月も中旬にさしかかり、そろそろ年賀状を準備しなければいけない時期がやってきました。毎年年末ぎりぎりになって重い腰が上がりますが、いざ作成しようとすると、急にプリンタが動かなくなったり、出す相手方の宛先が変わっていたりと、何かとバタバタしてしまいます。今年は慌てることがないように、早めに準備をしたいものです。

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さて話変わりまして、10月に障害者虐待防止法が施行されました。この法律では、国や地方公共団体、さらには障害者福祉施設従事者や使用者、学校、医療機関等の各機関が障害者虐待の防止措置を講じる義務に加え、虐待を発見した者すべてに通報の義務が課されています。

施行から2ヶ月が経過しましたが、各地の相談窓口で障害者虐待相談が増加しているというニュースを耳にしました。障害者への虐待問題が話題になったことや、相談先が明確になったことが増加の原因と考えられます。また、これまで家庭内部のデリケートな問題として通報しにくかった事件が、法律の後押しを受けて通報しやすくなったという効果もあるのかもしれません。

第44条ではこの法律を実行的なものとするために、国や地方公共団体が後見制度の周知を行い、利用に関する経済的負担の軽減措置を講じる義務を課しています。高齢者虐待防止法にも同趣旨の規定がありますし、今年4月施行の老人福祉法32条の2でも、自治体による後見人の育成と活用が明記されましたので、成年後見制度への行政の対応は、待った無しではないでしょうか。

今後さらに増加する障害者の成年後見制度の利用に対応するため、自治体の利用支援事業の拡充と後見人の確保、そして行政と各種関係団体との連携がますます注目されます。

2012年11月19日 (月)

電子証明書がより安全に

こんにちは。開発部の野村です。
2014年度の早期から、オンライン申請等で使用される各種電子証明書のSHA-256対応が開始されます。

そもそもSHA-256とはなんでしょうか?

SHA-256はハッシュ関数と呼ばれるものです。ハッシュ関数について簡単に説明すると、「どんなデータを入力しても固定長のデータ(ハッシュ値)が出力される関数」です。同じデータを入力すれば、必ず同じハッシュ値が出力されますが、逆に言えば入力するデータが少しでも違うと全く別のハッシュ値が出力されます。また、ハッシュ値とハッシュ関数がわかっても、元データに戻すことはできません。電子署名では、この性質を利用して元文書の改ざんチェックを行っているわけです。

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さて、現状の電子証明書にはSHA-1が採用されています。これが採用された時点では、意図的に同じハッシュ値を見つけ出すためには総当りしか方法がなく、その計算に要する時間は国内最速のスーパーコンピュータで100万年かかると言われていました。しかし近年新しい計算手法が発見され、国内最速のスーパーコンピュータであれば462年以下で発見できると言われています。

そこで、コンピュータの急速な発展と暗号解析技術の進歩を考慮しその対策として採用されたのがSHA-256です。では、SHA-1からSHA-256でどれくらい違うのか。数値的な正確さを全く無視して例えてみますと米一俵の中に隠された一粒の米を探すのが現行SHA-1だとした場合、世界中に備蓄されている米の中に隠された一粒の米を探すのがSHA-256です。実際にはもっともっと程度の開きがありますしそもそも米一俵総当たりするくらいでは現行SHA-1のハッシュ値を見つけ出すことなど到底出来ませんが何となくイメージはおわかりいただけるのではないでしょうか。今のところ、SHA-256では安全性を脅かすような計算手法は見つかっていません。

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ということから、現行の方式に致命的な問題が見つかったからではなく、より安全性の高い方式へ移行することで、将来にわたって電子署名の安全性を確保するために今回の対応が行われるというわけです。

電子証明書が変わるということは、弊社の電子認証キットや同機能を組み込んでいる権、表のバージョンアップの作業が必要になります。こちらは簡単には終わりませんが、開発部一同、精一杯開発していきますので、ご期待ください。

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