商法の改正
こんにちは、イノベーション開発部の門岡です。
今回は、商法の改正についてお話ししたいと思います。
運送や海商に関する規定を見直す商法の改正法が平成30年5月18日に成立しました。商法は、主要六法の中で唯一漢字カタカナ交じりの文語体の表記が一部残っていましたが、これにより、六法はすべて口語化されることになりました。
商法は明治32年の施行以来、時代の流れとともに幾多の改正がなされ、さらに平成17年の会社法成立により第二編「会社」の部分がそっくりなくなる等、大変な変貌を遂げていました。
改正で追加された条項は「第〇〇条の2」のように枝番で挿入され、戦後に追加された条文であってもわざわざ文語体の表記で追加されていたため、私も学生時代にそうした条文を読む際は、非常につらい思いをした記憶があります。
私が大学に入学した平成の初めは、主要六法の中では、「憲法」「刑事訴訟法」だけが口語体の表記で、残りの「民法」「刑法」「商法」「民事訴訟法」は漢字カタカナ交じりの文語体で表記されていました。初めての民法の授業で、条文を見たときの絶望感は今でもはっきりと覚えています(これから古文、漢文の授業を受けるのか……と)。
その後、刑法、民事訴訟法、民法の順番で口語化の改正がなされ、残すは商法だけとなっていました。今回の改正で、商法全ての条文の口語化作業が完了し、大変感無量です。
なお今回の商法改正では、口語化作業だけでなく、商法制定当時にはなかった「航空運送」や「複合運送」(陸海空を組み合わせた運送)に関する規定も設けられています。