1年前のあの日から
松山: もうすぐ地震から1年ですね。
あの日僕は奈良で仕事をしていて、急にめまいがしたように
感じたんです。少しして地震だと気付いた時にはテレビで東北の
様子が映し出されていて言葉を無くしました。
村井:奈良でも・・・。こっちは埼玉の秩父にいたんだけど大きな揺れが
起きた瞬間に街全体が停電になって。すぐに建物から出たんだけど
テレビはないし携帯は使えないし神奈川にいる子供と奥さんの
安否も確認できないし。震源地が分かったのも大分あとだったから
不安でしょうがなかったよ。
リーガル本社も東京営業所メンバーの安否がなかなか確認出来なくて
混乱していました。茨城でお客様と一緒に近所の避難所で夜を明かした
社員がいたり、30キロ程の道のりを家族が待つ家まで
歩いて帰ろうとしていた社員がいたり。
当日はかなり大変だったけど、その後の報道で被災地の状況を
知れば知るほど自分たちの苦労は何てことはないと痛感したよ。
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システムサポートの友近です。
今から1年前の事です。
震災にあった地域のお客様から電話がかかってきました。
私:「事務所は大丈夫ですか?
冠水した機材は危険なので絶対電源を入れないで下さい」
お客様:「いや幸い事務所は助かりました
すぐそこまで津波が来たんですが事務所がちょっと高台なので」
それは幸運でしたね、と言おうとしたら・・・
お客様:「でも原発事故で、すぐに避難しなくてはいけないんです」
データを何とかしたいのですがどうすればいいでしょうか?」
私は言葉に詰まりました。
ハードディスク2台を抱えて持っていけばいいでしょうが
持っていく先は避難所という事になります。さすがにこれは言いにくい。
データだけならフラッシュメモリーに入りそうですが
手持ちは無いようで今からの入手はまず不可能でしょう。
リーガルから送るとしても一体いつ着くか、どうやって手渡すのか。
どう考えても無理筋です。
結局ハードディスクを抱えて逃げるしか思いつかず、そう話すしかありませんでした。
考えてみると “権”のシステムを設計した時「事務所が津波で流される」とか
「原発事故で緊急に避難しなくてはいけなくなる」なんて全然想定しなかったのです。
そんな事あるわけがないと。でもあの日を境に常識は変わってしまいました。
今のリーガルは、大地震、大津波、原発事故などの大災害に対して
どのような備えを提案するのか? という問いに真剣に答えなくてはなりません。
いろいろ検討した結果、まずは
「インターネット上にある記憶装置にデータをバックアップする」
という結論になりました。
インターネット上にある記憶装置は分散して多重化されているため
日本沈没でも起こらない限り助かる可能性が高いと思われます。
現在この手のサービスはいくつもありますが、容量、価格、速度、
稼働実績などで絞るとアメリカ製のものばかりになります。
おかげでドル立て請求だったりホームページが英文だったり使用するソフトが
日本語化されてなかったり窓口がアメリカだったり。
しかも国内法の及ばない国外のサーバにデータが保持される可能性もあり
これではなかなか一般のお客さんに勧めにくいですね。
そこでリーガルで取りまとめて保守サービスのメニューの一つとして
始める事にしました。
「リーガルクラウドバックアップサービス」です。
実際のデータは日本の会社である
トリニティーセキュリティーシステムズのサーバに置きます。
この会社は免震構造のビルにサーバを設置し
さらに東京と大阪に分散して置いてデータを二重化しています。
リーガルクラウドバックアップサービスでは
そのサービスを“権”で業務に負担無く運用できるように組み込みました。
このサービスにとって幸せな事は「これのお陰で助かった」と感謝される事ではなく
「結局何事も起こらず使う事もなく終わった」と言われる事です。
私も心からそれを願っています。
愛媛県今治市のゆるきゃら バリィさんのグッズをタオル美術館に買いに行きました。
美術館の前に菜の花畑が。
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「リーガルクラウドバックアップサービス」は
すでに沢山の方からお申し込みいただいてるみたいですね。
予想を上回る反響でびっくりしたよ。
今後も、お客様のデータは財産であるという観点から少しでも
安心していただけるシステム作りをしていきたいね。