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2019年9月17日 (火)

なぜ32bitはx32じゃなくx86なの?

皆さんこんにちは。
Windows7のサポート終了が近づき、PCの入れ替えを検討されている事務所様も多いのではないかと思います。その際にはCore i5程度のCPUにメモリは8GBでWindows10の64bit版を標準的選択にしていただければと思います。Windowsは、余程の理由が無い限り32bit版ではなく64bit版を選ぶ時代となりました。Windowsが32bit版だとその上で64bit版アプリを動かすことはできません。一方64bit版なら、アプリは32bit版であれ64bit版であれ動作します。32bit版と64bit版の両方の版がある場合、区別するために32bit版はx86、64bit版はx64と書かれたりします。
 あれ?どうして64bit版はx64なのに32bit版はx32じゃないの?って思いませんか?一般の方には必要のない知識なのですが、PC業界で食べている人は知っておく必要があるかもしれません。
実はこの話には半世紀に及ぶPCの歴史が関係しているのです。
世界で最初に作られた商用のマイクロプロセッサは、インテル社のi4004(1971年)です。日本の電卓メーカの注文で作られました。「このマイクロプロセッサはトランジスタ数にして4000個の論理回路と同等の仕事が出来る」という触れ込みでICの型番に4000番台が振られました。4bitマイクロプロセッサであったことも「4」が使われた理由でしょう。マイクロプロセッサ自体は4つのICから構成されていて、中心になるICの型番が4004だったわけです。これの改良版の4040を経て、bit化された8008が開発され、さらにその改良版である8080(1974年)が作られました。8080はパーソナルコンピュータの源流の一つであるAltair 8800に搭載されました。Altair 8800はキットだったので当時の開拓者精神にあふれたPCユーザは、半田ごてでPCを組み立ててました。ゲーム喫茶に入ったブロック崩しやスペースインベーダも8080の上で動きました。この後8080(やその改良版のZ-80)を使った8bitPCが多数発売され、PC市場が立ち上がり始めました。それらのPC上で動くBASIC言語を開発したのがMicrosoft…つまり若きビルゲイツだったのです。さらにインテルは8080の使いにくい部分を改善したマイクロプロセッサを開発します。8080は+12V,+5V,-5Vの3電源が必要だったのを+5V一つのみにして、そこからつけた型番は8085(1976年)。この8085の後16bit化を行なったものが、8086(1978年)でした。そうですx86の86はこの8086由来だったのです。一言で言えば「x86の86は85の次に作られたから」となります。ちなみにこの8086は今皆さんが使っているPCの直接の先祖で、IBM-PCに採用され世界標準になりました。8086用に作られたプログラムは今の最新のPCでも動きます(もちろん現実にはいろんな問題がなかなか困難ですが)。最初の“権”もこの8086の上で開発されました。8086は後に32bitに拡張され80386になりました。x86が32bitなのはここに由来します。これでx86という名称には長い背景があるのを理解していただけたでしょうか。「型番って結構適当につけてるのか」と感じてもらえばいいです。8086の名称が決められた当時のPCは、まだまだビッグビジネスではなかったので結構適当だったのです。さてそれではx64の方にはこういう話はあるのか?という疑問があるでしょう。あります。インテル社とAMD社の関係に深くかかわるお話になります。しかもこの話は現在進行中です。しかし残念ながら紙面が尽きてしまいました。無味乾燥なコンピュータ用語の中に埋もれた物語。ひも解いてみれば熱い歴史が蘇ってきます…。これでx86は32bitと覚えていただければ少しはお役にたてたでしょうか。

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